【組織開発ネタ】仕事で潰れるのは本人が弱いから?

昔、アメリカにデックというコンピューターメーカーがありました(日本支社もありました)。デックは当時の全米の学生の就職人気ランキングでもトップになるような企業でした。デックの企業文化には以下のような特徴がありました。

・優秀な社員のインタビューが社内報に載ったり、社内の壁に貼り出される。

・経営者からのビデオレターが社内に届くので、社員がそれを視聴する。

・勤務ルールに特に定めはない。

これだけだと、「ふーん、活気がありそうなベンチャーっぽい会社だね」という感じですが、実は他にはこんな特徴がありました。

・社内のフラットなヒエラルキーを重んじるため、何か起こった時に上層部に相談しても「すべては自由であり、自己責任なのです」とはね返されてしまう。

結局、この会社はどうなったか?

優秀な社員は延々と働きました。延々と。そして燃え尽きていき、健康と精神を病んで次々と辞めて行きました。つまり、先に潰れたのは優秀な社員達だったのです。

そして結局、会社は経営困難に陥り、他社に買収されてしまいました。

企業文化の操作は、社員を活かすほうにも潰すほうにも使えます。それぞれの社員が自己規律と自主性によって行動する組織こそ素晴らしいとする「ティール組織」論を唱える書物も出てきましたが、何が正しい組織文化なのか、決着はついていないようです。