成果主義の間隙に潜む難題

自分がサラリーマン時代に勤めていた中小企業は、営業所のスタッフがなかなか、かかってきた電話を取りませんでした。

なぜか?商談の発端が「かかってくる電話」から始まるという認識がなかったのもそうですが、

・自分の役割に入っていない

・やらなくても明確な罰がない

というのも大きいかもしれません。

大きな組織なら専業の「電話取り係」「一次受付」がいるかもしれませんが、ベンチャーや中小企業だとそうはいきません。

そして必ず、周りが電話を取るのに任せってきりの「フリーライダー(ただ乗り)」社員が現れます。

ではどうすれば良いか?

難しい問題ですが、

1. 全体としての緩やかな目標として設定する →達成できた場合の儀式も行う

2. 一人一人の行動評価に落とし込む

というのが考えられます。

1の「達成できた場合の儀式」に関して言うと、宅配便の雄、クロネコヤマトの創成期には、組織としての取り扱い目標を達成した時に、ドライバーやスタッフ全員に「社章の入ったどら焼き」を配っていたそうです。一人ひとりのお給料に反映されたわけではありませんが、「組織として作るべき神話を一人一人が共有するための」仕掛けとしてとしては、経営者の思いが伝わる印象的な工夫です。

なお、野菜宅配のオイシックスの創業社長の講演をかつて拝聴したことがありますが、創業したてで注文の電話がほとんど鳴らなかった頃は、スタッフ同士で電話の取り合いが起こったそうです。その後のこの会社の大きな成長は見ての通りです。