確かアメリカの実験だったと思いますが、ある社員に出社早々、同僚達が「どうしたの?顔色悪いじゃん?」と代わる代わる声をかけると、その社員は午後には本当に具合が悪くなっていたそうです。
平安時代は、言葉で人を呪い殺すというのが平気で行われていました。言霊(ことだま)とはよく言ったものです。
社員の方の話によると、伊藤忠商事を業界トップに押し上げた岡藤会長は、言葉で社員の気持ちを上げるのが上手いそうです。言葉は使い方によって毒とも薬ともなる証左ではないでしょうか。
では普段、どんな言葉の使い方をすれば良いのか?
まず、相手の「世界」を受け入れ、存在を肯定する言葉を使うことです。
「そのカバン、いいね」などは、相手の持ち物、つまり相手の世界を肯定する例です。
「君がいると部署が明るくなるね」は、相手の存在を肯定する言葉の例です。
そして、この2つは「事実の記述」に基づいています。
専門的な話になってしまいますが、「君の仕事ぶりはさー」と評価の言葉に入るのではなく、まずは先のような「事実の記述」をする言葉を。
言葉には組織開発にとっていろいろな可能性が秘められています。