自己評価と他己評価との乖離

以前、仕事と組織研究所のコーチングを申し込まれた方にこんな方がいました。(※内容は承諾を得ており、修正を加えています)

「職場で自分以外の人間の論理的思考力が弱すぎて、次々と論破していくうちに、気がついたら部下がゼロの管理職に任命され、自分1人だけの個室で9時-5時の職場生活を送っている」

そして、「どうしてこんなことになっているのか、会社に責任があるのか、それとも自分に責任があるのか?」という疑問をぶつけられました。

さて、この場合、人事や社内で1on1などのコーチングを担当される方はどう考えれば良いでしょう?

この方の場合、「個室で自分1人だけの役職というのは、虚しいし、将来も不安だ」とのことでした。具体的にはもっと自己効力感のある仕事がしたい、と。

まず、今の状況をこの方の原因に絡めて把握するのはよくありません。状況は刻々と変わっているからです。

会社にとってもこの方にとっても望ましいのは、「望ましい未来をお互いに描けるか」ではないでしょうか。

そしてそれを描くためにはどうすれば良いか?

まず、組織で自己効力感を感じられる仕事は、ある程度裁量があり、複数のメンバーで協働しながら課題を解決するような内容かもしれません。

そのような仕事につけるためには、組織社会化といって仲間たちから共同のメンバーとして受け入れられなくてはなりません。そのためにどうすれば良いかというと、自己評価と他己評価をよく把握してその乖離を埋める必要があります。

自分は自分のことをどう思っているのか、周りからは自分のことをどう思われているのか、その情報収集から始めてみるのが良いのではないでしょうか。