心理的安全性、モチベーション、エンゲージメント、レジリエンスなどなど、ビジネスにおいては心に関する書籍や研修サービスが目白押しです。
書店のビジネスコーナーを覗いてみても、マーケティングや事業戦略、マネジメントの本が多数を占めているというよりも、働く人の視点から見た心に関する本が多い気がします。
なぜか?それは、これまでのビジネスモデルが「計画を立てたらその実行のために前進する」というモデルであったのに対して、これからのビジネスモデルが、「生産者と消費者の双方の心の中を深く覗き込んでみないと事業の輪郭が浮かび上がらない」からではないでしょうか。
かつての日本経済は、ノーベル経済学賞を受賞したフリードマンが提唱した貨幣数量説で説明できるような経済モデルで「作れば作るほど売れる」という状況でした。
ところが、今の日本は、同じものを作っても、買おうとする人が心の中に「購入後のハッピーなストーリーをイメージできるか」だったり、「作り手のストーリーに買い手が共感し寄り添ってくれるか」が重要になってきました。
その意味でも、それぞれの人間の心の中から湧き上がるものをどうやってビジネスに結びつけられるか、が企業の生き残りのポイントになってきた気がします。