超有名国立大学卒のあるメディアベンチャーの社長さんは、就職してまもない頃のヒラ社員時代、使えない中年社員を批判して社長さんからひどく怒られたそうです。
「使えない社員」というのをどう定義するかはともかく、すべての社員の能力が突出しているわけではありません。ましてや、解雇に厳格なルールが定められ、中等採用などの雇い入れの選抜要件が、欧米企業のように個別具体的にで厳格でない日本なら、なおさらです。
最近の組織開発関連の新刊などを見ると、組織開発のポイントは、
・異なる能力の社員同士をどう組み合わせて配置するか
そして、
・能力より「気質」の要素が大きい
ということが強調されています。
どういうことかというと、どんなに有能な方でも、置かれた環境や他のスタッフの関係性によって、発揮できるパフォーマンスが全然違ってきます。
また、意外な発見でしたが、
・スキルの習得能力といった認知能力に限らず、協調性やコミュニケーションといった非認知能力も、歳を取ってからでも成長し続ける。むしろ、非認知能力の成長の方が限界がない。
という研究者の指摘もあります。
つまり、少数精鋭をうたってる組織は、「株式上場を目標(夢?)に掲げながら、結局ずっとクリスチャンラッセンの絵画も売ってる社員4名体制のケータイショップ」「潰れては新規開業、潰れては新規開業の飲食店開発会社」になりかねないということではないでしょうか。
ある研究によると、長続きする組織の特徴として、
・その組織のメンバーが「この組織に残りたい」と思う理由が多様な組織ほど長続きする
ということがわかったそうです。
誰でもその組織で突出したパフォーマンスを出し続けるためにその企業にいるわけではありませんし、そういった「自分のパフォーマンスのみ重視」の社員は往々にしてup or out(給与は高いが成果が出なければ即サヨナラ)の組織が向いてたりします。
「社食が美味しい」「駅から近い」「休んだ時の同僚のフォローがが手厚い」などなど、社員がその組織に残りたい理由はさまざまですし、待遇や雇用契約によって組織への忠誠度も違います。
それを踏まえた上で、個人として組織としてどう成長してもらい、真価を発揮してもらうかが、組織開発のポイントなのかもしれません。
#組織開発 、 #少数精鋭